後半 (最悪の日に)
5月10日(水)
植生の変わっている 右側は湿地帯
今日は、原っぱを越えてさらに進み、小川の上流部と思われる湿地を探索してみた。が、どこもかしこも草だらけだ。ショウブのような植物が水辺一面に生えていて、動物を見つけ出すのはむずかしかった。
折り返して、帰ることにした。帰り際にも、川沿いを歩き、最後になにか現れないかなぁと期待していた。その時、反対岸に妙な赤い植物を見つけた。はっきり見えないが、珍しい植物に感じた。
反対岸に渡るには、あと50mほど先にある小さな橋まで行き、橋を渡り、50mまた戻ってこなければならない。なんだかひどく遠くに感じた。 目の前の川幅は3メートルほど、しかも水はまったく流れていなく、腐った植物が積もり、表面は乾いて見える。
そう思った。一足一足、ゆっくりと確かめるように腐植物の上を進む。2歩、3歩、、、、少し柔らかいが、行けそう! 4歩、5歩、と先に進もうとした途端、足が川に飲み込まれた。
こんなになってまで、なんとか渡った反対岸。見えていた妙な植物は、葉っぱが変な形に枯れて赤くなっていただけだった。さらにガッカリ。
泥にハマった自分の足
(NATIONAL GEOGRAPHIC 日本語版1997年11月号 「北の森から 90日間の撮影記録」より抜粋)
いつも、足元の生物にだけ神経を集中させて歩いている。 この日、自分の周りの風景に目をやってみた。 動物が見つからなく、泥にハマり落ち込んでいたのだけれど、周囲の自然の綺麗さに驚いた。 気がついて見てみると、美しいものは周りにたくさんあるのだった。
写真: 後半 (最悪の日に) 終わり
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[2001.5.26 作成] [2001.6.19 記事の真似して撮影時刻追記]