−発端(導入部)−

また新聞に載りました。
2002年9月17日付け「черноморски ФАР」紙です。

今回の記事内容は、ぼくの作った小話でもなければ、笑い話でもないんです。
新聞の端っこに小さく掲載された記事の見出しはこんな感じ。

  「日本人、携帯電話をひったくられる」

 

はい。そうです。ぼくです。  ・・・・やられました。

Lo6o_Vesnik.jpg (24881 バイト)
  
9月15日の日曜日。
この日、街で携帯電話を首から吊すストラップを買ってみたんです。
そして、携帯電話を首からぶら下げて、数時間後、、、、
  
Lo6o_VujeZaGSM.jpg (12642 バイト)
携帯を引き千切られたストラップ
辺りが暗くなってきた、夜の8時15分。
友人(ブルガリア人)とブルガスのある公園近くを歩いていました。

すると、二十歳弱に見えるブルガリア人2人組が「小銭をくれよ」とぼくたちの隣に
ピッタリとくっついて来ました。ぼくの友人は「金はない」「あっちに行け」と答えて
いたのですが、その2人はかなりしつこく、20,30メートルほどの距離をずーっと
くっついて来るのです。

そして、ぼくらが歩く方角を変えた瞬間、その2人組の1人が、ぼくの胸元に
手を伸ばし、何かを奪い取って逃げていきました。

    
瞬時に『今日は携帯をぶら下げていたんだ!』と思い出し、ぼくはすかさず追いかけました。
走って、走って、追いかけて、追いかけて・・・・ どれくらいでしょうか。100m?200m?
「クラデーッツ!(どろぼーう!)」と、ぼくは叫びながら走っていたので、ぼくの背後に何人か
駆け付けてくれています。

ぼくは、泥棒の後ろをピッタリ離れず、ひたすら走り続けていました。泥棒はぼくのしつこさに
あきらめたのでしょうか、角を曲がるとき、角の塀に携帯電話を置いて、走り去って行きました。
それを見たぼくは、ホッと一安心し、ヘトヘトだったので走るのをやめました。

ぼくの後ろから駆け付けてくれた人達は、泥棒を勢いよく追いかけていきます。ぼくは、
心の中で 『携帯電話はそこにあるから、もう泥棒を追いかけてくれなくてもいいのに・・』
と思った、その瞬間です。

ぼくを追い越していった1人が、目の前で携帯電話を奪って行ってしまったのです。

 !!・・????・・・・ 一瞬、頭が混乱しました。

慌てて、ぼくは再び走り出し、追いかけたのですが、角を曲がるとそこには電灯が一切無く、
真っ暗でした。そして、4,5人の人影が待ち受けています。『これ以上進まない方がいい』と
身の危険を感じたので、明るい通りに戻り、携帯電話はあきらめました。


    
そう。彼らはグループだったのです。
泥棒は2人組で、駆け付けてくれたのは助っ人だと思い込んだ自分が馬鹿でした。
そして警察の話によると、その公園付近は麻薬常習者が多い場所とのこと。
彼らは麻薬を買う金のために、ひったくりをしているとのことです。

1年半以上ブルガリアに住んでいますが、盗難は今回が初めてです。
しかも、犯罪の多い首都ソフィアではなく、ブルガスで・・・・。
今回は、外国生活での大変良い経験になりました。はい。

イキーー くやし〜〜!!

    
補足説明:“携帯電話をひったくる”という行為の意味

 

−テーマその1「詐欺・だまし等」−

そういう訳でして、この悔しさをどこにぶつけて良いものかと考えまして、、、、
今回は、“ブルガリアの悪の部分”を徹底公開してやろうと思います。
    

 

Lo6o_4endjiBiuro.jpg (21709 バイト) 観光客、とくに外国人観光客がもっとも頻繁に被害に遭っているのが、
これ「詐欺両替商」です。

ぼくは、ブルガス中心地にあるこのお店(左写真)で、実際にだまされました。
看板に“No Comission(手数料無し)”とデカデカ書いておいて、手数料を
しっかり取るという手口です。しかも、手数料は20%近くと法外な金額。
文句を言うと「手数料無しはドルを買うときだけだ!」とか言ってきます。
幸い、ぼくの場合は少額(1000円程の両替)だったので、だまし取られた
手数料も200円程だけで済みました。

    
上記した両替詐欺手口は、1年ほど前まではもっとも典型的な被害例でした。
しかし法の改定があり、今では看板に嘘偽りを書く行為は厳重に取り締まられるように
なりました。そして、そのお陰で、新たな手口がでてきました。
    
  
右の看板写真を見てください。
ブルガリア・レヴァで1USドルを買うときのレートは「2.0080」と明記されています。
2002年、この夏の通常値といえる数字です。その反対、1USドルでレヴァを買う
場合のレートは「1.999」。まぁ、こちらも相場はこんなもんでしょう。
、、、、という風に、不注意にも、このお店でレヴァに両替してしまうと大変です!

普通の人なら「1.999」だと当然思うところ、実際、看板には「1.1999」とがひとつ
多く書かれているのです。これが今年の夏、流行っていた新たな“セコイ両替詐欺
手口”です。いや、看板でしっかり明記しているので、本当は“詐欺”ではないの
ですが・・・・

それにしても、なんて、セコイやり方!!

Lo6o_4endjiKurs.jpg (23182 バイト)


 

お金関係でもう1つ紹介。

Lo6o_100Dolla.jpg (24720 バイト) この写真は何でしょう?

そうです。偽札ですね。
100ドル札のデザインが新しくなってしまい、手元に古いデザインの本物100
ドル札が無いため、残念ながら、同じデザインでの比較ができないのですが、
上段が本物、下段が偽物です。

写真ではわかりにくいかと思いますが、細かく見ても、感心するほどよく出来て
います。はい。

    
しかし、透かしの部分はまだまだ技術不足のようでして、透かして見ると一目瞭然です。
右写真は同じく、上段が本物、下段が偽物です。縦に一筋、小さい文字で「USA 100 USA
100 USA 100・・・・」と透かしが入っているのですが、偽札の透かしは文字といっしょに
茶色い影が帯状に見えてしまいます。

偽札は、ブルガリア国内ではいくらか流出しているようです。ドル紙幣のみならず、ブル
ガリアのレヴァ紙幣でも存在しています。

偽札の存在は、例えるなら“国民総勢で参加しているババ抜き”のようなものでしょうか。
お店のレジのおばちゃんやお姉さんはいつでも、ババを引かないように、高額紙幣の
受け取りには透かしを確認して、細心の注意を払っています。

・・・・いったい、このゲームはいつ終わるのでしょう?
    

Lo6o_100DollaLinia.jpg (27968 バイト)


 

偽造関連ということで。

Lo6o_CopyCD.jpg (18504 バイト) 日本に限らず、世界中の先進国で取り締まりの厳しい違法コピーCD。
ブルガリアは、無法地帯なのでしょうか、街中に氾濫しています。
というよりも、オリジナルCDを探す方が至難の業と言えなくもありません。

ぼくは、好きなアーティストのCDはオリジナルが欲しいのですが、ブルガスで
ほとんど見たことがありません。コピーCDでも、左写真上段のようにCDラベル・
ブックレットを丁寧に複製してくれていれば、まだ良い方です。ひどい店だと、
写真下段のように、CDラベルにはモロに「CD-R」と書かれていて、ジャケットも
ブックレットの表紙1枚カラーコピーのみ。
ちなみに値段は、1枚7レヴァ(約350円)前後。

コピーCDの他に、MP3のCDも売っています(右写真)。これは、ブルガスでは
見たことがありませんが、首都ソフィアではたくさん見かけます。

1枚のMP3-CDに、アルバム10枚分ほどの音楽ファイル、歌詞テキスト、
アーティストの写真など、情報満載。これで、1枚13レヴァ(約700円)程度
ですから安いものです。

もちろん、コピーCDは音楽CDに限らず、PC関連のソフトでも大量に出回っています。

Lo6o_MP3.jpg (19748 バイト)

    
これでは、アーティストもCD会社もPCソフト会社も収益大幅減少で、商売あがったりです。

ブルガリア人に「コピーCD・MP3製造・販売の違法行為」について話をしてみると、『違法
行為であることは、ニュースなどで聞き知っている。けれど、その行為がなぜ悪い事である
のかが、うまく理解できない』というような表情を見せたことがあります。
旧共産主義時代の「すべてのモノは皆に平等にある」というような思想が、いまだに体に
染み付いているために、「価値あるモノを、コピーしてみんなに分け与える」という行為を
当たり前の事として感じているのかもしれません。
        

    

−テーマその2「盗み等」−

    
なんでしょうか、この鉄骨。 鉄くず?
    
Lo6o_SpirkaAvtobus.jpg (25654 バイト)
   
はい、そうですね!
ブルガスの典型的なバス停ですね。

このバス停も、設置当初は、赤いパネルの座席が横一列に敷き詰められ、その長椅子を
囲むように壁3面にプラスティック・パネルが張られていたことと思います。しかし、ここ
ブルガリアでは、使えそうな物(素材)はすべて消えます。いや、盗まれるのです。例えば、
公園にあるベンチの板なども、外せて持っていける部分はすべて消えます。

バス停、公園にあるモノなんて、まだ可愛いほうです。
すごいモノだと、電線が盗まれます。郊外の鉄塔の間に張られている電線数十メートルが
ぶった切られて、盗まれてしまうのです。・・・・そして停電。 まったく、ひどい話です。


 

【犯罪予防】

Lo6o_4ista4ikaKola.jpg (14956 バイト) 上に述べたように、“目に付いて、持っていける物(素材・パーツ)”は狙われやすい
のです。

例えば、車のワイパーなどは持っていきやすく、恰好の餌食。
ブルガリアでは、誰かに持っていかれる前に、あらかじめ車内にしまっておくのが
常識です。雨が降り出したらワイパーを取り付け、車を降りるときには外します。

ジュースの自動販売機。
これもブルガリア流に考えると、やはり“目に付いて、持っていける物”となります。

ぼくの職場には、この1年半の間に3台もの自動販売機が入れ替わりました。
初代と二代目の販売機は、知らないうちにどこかへ消えました。
そして、、、、現在の三代目には、鉄格子が付きました。

Lo6o_KafeMasina.jpg (19224 バイト)
    


    
Lo6o_ZatvopRampa.jpg (22080 バイト)
    
友人ロッセンと、ある友達の家に遊びに行った時のこと。
団地のエレベーターに乗り、ロッセンが言った言葉です。

『上を見てみな! この電球1つが、いくらするか知ってるか?
50ストチンキ(約25円)だ。 たった、50ストチンキだよ!?
それを守るために、これだけ厳重な鉄格子! 信じられるかい?
情けないけれど、これがブルガリアなんだよ』


 

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[2002.9.29 作成]

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